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高橋涼子 個展「 HAIR(=)COMPLEX」

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studioJの9月の展覧会として高橋涼子個展「HAIR(=)COMPLEX」を開催いたしました。ただ美しいだけではなく、人体から抜け落ちた時には忌み嫌うべき対象としての側面も合わせ持つ髪の毛に、高橋は非常に執着を持っています。現在、高橋のつくる作品には実際の人毛が使われているか、もしくは髪の毛をイメージさせるモチーフが多用されています。高橋にとって髪の毛は、幼い頃から自分自身の存在を強調するものであり、また成長するにつれて、自分のコンプレックスをも髪の毛によって克服しようとするほど髪への思いが強固になっていました。そんな高橋の思いが結実した作品を、どうぞごゆっくりとご覧ください。
今回の展示では、コルセット、鳥かご、剣山などの立体作品と、ペインティング、ドローイング、写真などの平面作品を出展いたしました。

作家コメント

今回は過去作品からの“装飾”というテーマと共に、その内部にあるもの、たとえば身体的なコンプレックスを矯正したり、美しい状態を保ちたいという人間の欲望のみで行われる行為など、“拘束”にも近い事柄を表現したい。それは“装飾”よりもさらに装飾的ではないかとわたしは思う。美しいと思われるもの(思われたい思いたい、という欲望の意味で)の内部には、実は何かしらコンプレックスが潜んでいて、そのコンプレックスが大きければ大きいほど、美しいのではないだろうか。何らかの劣等感は人を成長させ、きっとその想いが強ければ強い ほど伝わるものが大きいのだと信じている。
「HAIR(=)COMPLEX」では、髪の毛の作品の複合体という意味も持って展開する。

高橋涼子