大西伸明 展「Infinity Gray “memories”」

studio Jにおける3月からの展覧会として、大西伸明展 ―Infinity Gray “memories”― を開催いたしました。 大西伸明は、昨年度の京都府美術工芸新鋭選抜展で最優秀賞を受賞し、各地で現在精力的に作品を発表しております。 大西の作品は、我々の日常に身近にある モノ、例えばコップ、鉛筆、定規、食品などを形取り、樹脂で再現しています。 一見本物のようで本物ではない。しかしフェイクとして済ますには余りある存在 感を放ち、個々の作品からは、 実物のそれらを手にしても感じられない愛おしささえ感じ取ることができます。
今回の展覧会では、新作も含め約15点のオブジェを紹介いたしました。

幼い頃、机の奥にそっとしまっていた思い出たち。 それは、河原で拾った特に 何の変哲もない石ころであったり、ガラスが川の流れで磨かれ丸くなったモノで あったり、 昆虫の死骸であったり、ジャコメッティの彫刻のように錆びた金属片であったり・・・。
大人たちからするとガラクタにしか見えないそのモノたちは、子どもにとってはかけがえのない秘密の宝物であった。
今回の展覧会は”memories”と題しているが、懐かしく感傷的な思い出を解体し、物質化しようと考えている。 手のひらに乗る程度の小さな宝物たち、それらの愛 着と同時によみがえる、忘れることのない繊細な表面のざらつきや、 手に取った時の重量、それら愛すべき記憶が、樹脂という合成物質に巧妙に置き換えられることで、記憶や思い出は裏切られ、 作品というモノと対峙することになるのである。 鑑賞者の思い出が儚ければ儚いほど、懐かしければ懐かしいほど、私の作品は 物質としての強度を増し、光輝くのではないか? そう考えている次第である。
(大西伸明)

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「origami」

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「burokku」

syasin.2

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「syasin」

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「dentou」

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「arumi youki」