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苅谷昌江 個展「Screen」

 studio Jにおける 3月から4月にかけての展覧会として「苅谷昌江個展‐Screen 」を開催いたしました。
苅谷昌江は2007年開催のAmuse Art Jam in Kyotoでグランプリ受賞、 2008年にはJeans factory art award で準グランプリ受賞、 また2009年にはVOCA展出展と着実に活動を続けています。

作家コメント

『Screen』

わたしはこれまで、ウェブや広告などからイメージの断片を寄せ集め、 集められたイメージをきっかけに生じる感覚や感情のようなものを絵画によって表現してきました。

何か特定のイメージを特定のものとして見るためには、そのイメージが他の誰かにとっても共感できるイメージでなければなりません。 わたしが何かを見るということは、誰かの視線を自分のなかに取り込むことが前提とされているのかもしれません。

絵画が、「見る」という行為と「描く」という行為のあいだに残される痕跡のようなものだとすれば、 その痕跡にはわたしの視線だけでなく、さまざまな人たちの視線の痕跡も含まれていることでしょう。

そういう意味では、絵画とは、さまざまな人たちの視線のあいだにおかれたスクリーン上に残された、 時間と空間の混じり合った視線の痕跡のようなものなのかもしれません。

現代は膨大な情報が行き交う時代です。それらの情報はときに空虚なものとして語られます。 しかし、わたしは、いま現実を生きている「わたし」との関係によって、単なるイメージの再生産にとどまらない、 視線から生じる「感覚」の痕跡とでも言えるような絵画を表現したいと思っています。spaceoddity_ghostlyfor twist_room_02 He_met_with open_the_door 2008jeans_f