高橋涼子 個展「-REAL WORLD-」
studio Jの12月の展覧会として、高橋涼子個展-REAL WORLD-を開催しました。
高橋は素材に人毛を使い、繊細、かつ大胆な作品を作ります。
また、昨年12月に京都文化博物館で開催されたアミューズアートジャムで人毛を使ったシャンデリア作品で準グランプリを獲得しました。
大阪における初めての個展、どうぞご期待ください。
出品予定作品は、立体作品(シャンデリア2~3点、レース、装飾された静物)
平面作品(ドローイング、髪画 計5点)、アクセサリーです。
<展覧会によせて>
髪が内包するものとは?
What is the one that the hair is involved?
たとえば、眠りの中でみる夢と目の前にみる現実のリアリティ、その違いは実はあまりないと思っている。
自分ひとりならなおさら、時間が経つとなおさら区別するのは難しい。
それは、どちらも”記憶”という同じ場所の中に存在している、という事実がその両方を信じさせる。
しかし、どちらも”記憶”でしかない、という事実がすべてを打ち消したりもする。
リアルとは何なのか、みた自分でさえも信じられなくなる。
何が変わるのか変わらないのか知る由もなく、
ただ、あなたを目に映すまで追いかける。
ただ、不安が消えるまで。
ただ、信じるために。
そんな曖昧な不安は、いつのまにかリアルを求め、存在のないものに輪郭をつけていく。
その存在は美しい世界となり、やがて不安を見えなくする。
不安を消すためのリアルな美。
Real beauty to relieve the anxiety.
髪が内包するものとは、そういうことなのかもしれないと思った。
(高橋涼子)